【台湾の反応】東京エレクトロン元社長「日本が半導体で世界トップになるのは10年かかる」

台湾積体電路製造（TSMC）は、ソニーグループと協力して、熊本県に工場を設立する予定だ。

経済産業省の「半導体・デジタル産業戦略検討会」である東哲郎氏（72歳）は、朝日新聞のインタビューでTSMCが日本に半導体工場を設立する際、日本政府から4000億円の補助金が出ることについて質問されました。

インタビューの中で東氏は「日本が半導体でかつての世界トップの座を取り戻すには、TSMCを核とした技術開発に10兆円（約2兆5千億台湾ドル）を投資し、現在遅れているロジック半導体の研究開発を積極的に進めるなど、少なくとも10年はかかるだろう」と述べています。
東哲郎氏は、TSMCが工場を熊本に設立する際に、日本政府が多額の補助金を出すことを日本国民が受け入れるかどうかという問題について、

「日本政府は、経済的配慮からTSMCに多額の補助金を出している」と指摘しました。

東哲朗氏 は「日本政府は、経済的安定を前提に半導体産業を支援する必要性を検討しているが、いくら危機感を強調しても国民からは理解を得られない。半導体技術をどう産業に活かすか？ この産業を盛り上げる事で雇用機会を増やし、国を豊かにできるのか？日本の産業が少子化の中で競争力を維持していくには、基礎技術の核となる産業が必要です。政府はこれを国民に明らかにすることが重要だ。」と回答しています。

TSMCの工場設立が日本の半導体産業の回復につながるか、という質問に対して、「まずはTSMCと一緒にやってみることだ」とした後に「もちろん、量子コンピュータなどの実用化がかなり進んでいる米国企業と連携して最先端の半導体の市場を作ることが重要だ。政府が半導体を支援しながら、これらのことを行わなければこのままでは半導体産業の再生は難しい。 業界が一丸となって取り組まなければならない。日本が海外から技術を学ぶためには、相対的な対価を支払わなければならないが、相手と競合しないためには、独自の市場を創造する必要がある」と述べています。

半導体産業を継続的に支援するためには、政府が中長期的な視点に立った戦略を立てるだけでなく海外からも学ぶ事が必要です。日本には、産業を再生させるという覚悟が必要だ。